階段を昇ると




そこは雪国―――ならぬ凝灰岩で出来た奇岩群であった―――




心霊スポットとして有名な屯鶴峯(どんづるぼう)。
ここに防空壕が残されているとの噂を聞きつけ、夜行性のうじゃ亡者としては珍しく日中にやってきたのである。
もちろん一人で。
別に一人が好きってわけじゃないけど、普通は誰もそんなところに行きたがらないし、突然思い立って来てしまったし。


閑話休題。


屯鶴峯は一人で来ても充分に楽しめるスポットである。




白い岩肌と緑の美しいコントラスト。
観光地としてもっと有名になってもいいのではないのだろうか。
なかなか見られない光景である。
現地には六時間ほど滞在していたが、観光地であり、休日であるにも関わらず片手で足りるほどの他人としか出くわさなかった。
もっとも雑木林の中にいた時間がほとんどで、ときたま位置確認に岩肌に登っていたくらいであるから
一般的な観光登山客との行動範囲は大幅に違うであろうが・・・。

どんづるぼう観光客を見込んで立てられたであろう近くのレストランも廃墟と化していたことを特に記しておく。





ん、まさか防空壕ってあれか?
こんなボロいポロポロ崩れる岩肌に作るとは思えんが・・・どうみても穴です。




ズームしてみる。






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